プレゼントイメージ

心にだけ残るプレゼント

私が高校生3年生の頃の話です。
当時付き合っていた彼は同級生で、私も彼も受験の真っただ中でした。
そんな勉強に忙しい中でも、放課後一緒に学校で受験勉強をしたり、一緒に登下校をしたりして、なるべく勉強がおろそかにならない様に工夫をしながら、一緒にいられる時間も作っていました。
冬になり受験勉強も佳境に入る冬休み前、せめてクリスマスは一緒にいたいなと思い彼に話してみました。
「クリスマスだけでも勉強をしないで会えないか」と。
入学するには少し厳しい大学を受験しようとしていた彼の返事は、「ごめん、今は勉強をしたいから」でした。
彼の邪魔をしたくなかった私は「ごめんね、分かった」と言うしかありませんでした。
丁度この頃、塾に取られる時間も長くなってきていて、一緒にいる時間も少なくなっていました。
受験に対する不安と、思春期特有の恋愛の不安もあり、このまま彼との関係がダメになってしまうのではないかと、心配でたまりませんでした。
もちろん、自分も同じ受験生という立場なので、「今、目の前の目標は大学に受かる事」「そのためには受験勉強をしなければいけない」事は分かっていました。
でも、どうしてこんな時期に好きになってしまったのか、もし受験生じゃなかったらこんあに不安にならなかったのか、もっと楽しく彼と付き合っていれたのかなど、余計な心配ばかりしていました。
大人になった今だったら、あっという間に感じる半年もない期間は、この時は本当に長く感じましたが、勉強を優先した彼のおかげで、私たち二人は無事にそれぞれ希望の大学に進学することが出来ました。
受験勉強が終わり、大学での生活も何とか慣れ始め、5月には彼と会える時間も取れる様になってきました。
丁度、付き合い始めたのもこの時期だったので、1周年をお祝いしようと会う事になりました。
いつもよりちょっと背伸びをしたお店でご飯を食べる以外は、いつもと同じつもりでした。
レストランに入って彼がいつもより緊張した感じに見えていたのですが、緊張してるのかなくらいで、その時は特に気に留めませんでした。
料理を食べ終え、デザートが運ばれてきました。
そのデザートのお皿に「Happy 1st Anniversary」の文字と「Merry Christmas」の文字が書いてありました。
不思議に思っている私に彼が「クリスマス会えなくてごめん。でも、浪人生活になったらもっと会えないと思って。会えなくなったら振られるかもしれないと思って必死だった。」と伝えてくれました。
不安だったのは私だけじゃなかったんだと思い、思わず泣いてしまいました。
形には残っていませんが、今でも心に残るプレゼントです。

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