プレゼントイメージ

旦那と愛娘からのプレゼント

「おかあさん、いつもありがとうございます。おめでとうございます。」私の誕生日にこんな題名の手紙を書いてくれたのは愛娘のA子でした。
この手紙をくれた当時、A子は5歳でしたが、ひらがなもカタカナも書けるとても優秀な子でした。
しかも、毎日幼稚園帰りには私に小さなお花を摘んでくれるような心優しい娘でした。
私が仕事終わりで疲れているとそっとかけよって肩をたたいて、私に小さな駄菓子のチョコレートをくれました。
私は昔からそんなに優しい子では無かったし、第一旦那もそういうタイプでは無かったものだったので、A子の優しさは神様が下さったプレゼントのようなものでした。
私たち夫婦にとっては本当に大切な宝物の様な存在でした。
そんなA子が私の誕生日の一週間前ぐらいでしょうか...ゴソゴソコソコソ何かをし始めました。
「どうしたんですか。」私が聞いてもA子は首を横に振って教えてくれませんでした。
その後も何を聞いてもやはり答えてもらえませんでした。
そしてその次の日から、A子は幼稚園から帰るとすぐに秘密の行動をしました。
旦那にそれを相談すると「何かを頑張っているのは良い事ですから、温かい目で見守ってあげましょうよ。
何ならもっと伸びるために何かご褒美をあげても良いんじゃないですか。」と旦那は穏やかな口調で話しました。
小学校の教諭である旦那の言う事ならと思いましたので、私はそれに従うことにしました。
次の日の夕ご飯はA子の大好物のハンバーグとイカたっぷりのペスカトーレを作り、チョコレートのムースまで作りました。
A子の喜ぶ顔を思い浮かべながら、私が部屋にいるA子を呼びに行くと、A子は暗い電気も点いていない部屋でクレヨンを握って寝ていました。
私がゆっくりと腰をゆすりながら「A子ちゃん、起きて下さい。」と言うと、A子はすっと目を開いて「おかあさんはむこうに行ってて下さい。」と言いました。
私は、一応言葉の通りに部屋に戻りました。
するとその後、ちゃんとA子はこちらの部屋に戻ってきてご飯を食べました。
A子は「美味しいです。美味しいです。」と頬をさすりながらご飯を食べてくれました。
そして一週間が過ぎました、その日の夜は旦那が一人でハンバーグとピラフを作ってくれました。
私は、ただご飯が出来るまでひたすら部屋でデスクワークをこなしていました。
そして旦那の「出来ましたよ」の一言でみんなが部屋に集まりました。
まず初めに、旦那からのプレゼントが渡されました。
中を開けてみると、私の大好きなミステリー系小説とずっと欲しかった真珠のイヤリングが入っていました。
私は嬉しくて飛び上がりそうになるのを我慢してにこりと微笑みました。
「ありがとうございます。大切にしますね。」私がそう言うと彼は、「いえいえ。」と笑顔を見せました。
そして私が嬉しさいっぱいでいると、A子が立ち上がって私のもとへ来ました。
「どうしたんですか。」私が聞くと彼女は精一杯の笑顔で、「おかあさんに手紙を書いたから読みます。」と言いました。
私は「お願いします。」と一言だけ言った気がします。
A子は手紙を開き、読み始めました。
「おかあさん、いつもいつもいつもありがとうございます。わたしはおかあさんの作ってくれるたまごやきがだいすきです。ふわふわしてるからです。おかあさんがおとうさんと仲良くしているときが一番すきなので、これからも仲良くしてください。おかあさんだいすきです。これからもわたしとおとうさんとあそびましょう。けがしたらいってください。おかあさんがないたらすぐにたすけます。」A子は読み終わると涙をポロポロ出してしまいました。
私もつられて、泣いてしまいました。
A子のつたない言葉と涙声は私の胸にとても響いたのです。
今はもうA子も小学生になり、ずいぶん大きくなってしまいましたが今でもたまにA子とこの手紙を読んでいます。

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